レンフロロゴ

Director Message

Interview with
Ryota Takahashi
RENFRO JAPAN

Interview with
Ryota Takahashi /
RENFRO JAPAN
『この10年を振り返って』

RENFRO CORPORATIONは、1921年に創業した米国最大級の靴下製造販売会社です。そのRENFRO CORPORATIONと共に、2012年10月に設立することとなったRENFRO JAPAN。今年2022年は、まさにRENFRO JAPANが10周年を迎える特別な節目です。ただしその道のりは決して平坦なものではなく、紆余曲折があったと取締役支社長の高橋良太氏は振り返ります。

「RENFRO JAPANを立ち上げた当時、靴下市場はある意味飽和とも言える状況下にあり、弊社は設立当社から色々なハードルを前にスタートしました。従来、日本において靴下はコモディティ(日用品)の位置づけが強く、一定数の供給があればそれで完結してしまう市場でした。しかし本国のアメリカでは、多様なマーケティングから積極的にニーズを喚起し、靴下市場を発展させていたのです。このマーケティングという手法は、当時我国の靴下業界にはほとんど存在せず、私はそこにチャンスを見出したのです」
具体的な事例のひとつが商品パッケージ。打ち出したいプロダクトの状態をただ説明するだけでなく、そのアイテムを使うことで、どのようなメリットがあるかをイメージしやすく表現することが大切だと高橋氏は説明します。

同時に、こういったマーケティングを軸とするビジネスを発展させるベースとして、“その先を予測すること”が非常に大事だと高橋氏は強調します。

「常にアイディアのその先までイメージし続ける姿勢を重視しています。これは僕自身も努力していることですが、社員ひとり一人にも実践してほしいと考えており、日々の会議の中で繰り返し発信しています。やはりそのとき好調なビジネスを模倣するだけでは一時的であるし、発展性がありません。現状に満足せず、その先の予測を続けることで、出会う人も変わってきます。出会う人が変われば耳にする意見も異なるものや、新しいものになるでしょう。成長し続ける企業であるため、<ゲームチェンジャーの精神>を持って現状にとらわれない発想を、しっかり形にしていきたいと考えています」

“予測するビジネス”が功を奏し、着実に発展を続けてきたRENFRO JAPAN。従業員数も増加し、それにともない2022年7月には念願の新オフィス設立を実現させました。この品川・天王洲エリアに位置する新たなオフィスには、高橋氏の次なる10年への思いが込められていると言います。

「五反田事業所の開設時は3人からのスタート。そして10年掛けて従業員も40名まで増え、手狭になったことから、2022年に新オフィスへの移転を計画しました。その際にイメージしたのが10年後の未来予想図です。2032年に我々は一体どうなっていたいのか?ビジネスの規模を現在の倍に発展させたいのであれば、従業員は80名になるでしょう。短絡的かもしれませんが、まずは未来予想図を描くことが大事。その目標に向かって予測を立てて進んでいけば、着実に達成できることをこの10年で示すことができました。この天王洲オフィスは少し大きめの規模ですが、そういった願いをカタチにしたものなのです」

さらにこのオフィスには、高橋氏が描く未来予想図を先取りしたような部屋があります。

「併設するショールームのインテリアを、カフェ風にアレンジしたのはひとつの挑戦です。それはある考えを持っているから。これまで弊社はライセンス展開、つまり既存ブランドの知名度をフックに打ち出すビジネスを軸としてきました。しかし次の10年は、レンフロジャパン自体の認知度を上げていく取り組みを本格化させたいのです。メーカーや工場に関わる人というよりは、一般消費者の方々に『あ、これRENFRO BRANDSの靴下だ!』と言っていただけるにはどうすべきか。そういう意味で自社のオリジナルブランドである『ホットソックス』と『ホイサム』に力を入れています。この両ブランドはSNSなどを活用するPR業務のなかで、お客さんや関係者をこのショールムームに招いてイベントを行うことも予定しています。だからこそのカフェ風ショールームと言うわけです」

新オフィスを開設させ、有能なスタッフも多数揃った現在のRENFRO JAPAN。ここまで順調に発展できたのは、やはりひとえに良き理解者に恵まれたからだと高橋氏は考えています。

「米国流のマーケティングや“予測するビジネス”など、自分なりの熱意と成長戦略をもってスタートしたRENFRO JAPAN。しかし、今日までの道のりは決して容易なものではありませんでした。新参とも言える我々の取り組みに対し、当初は賛同をいただくことが難しい場面もありました。しかし、弊社のスタッフ達がRENFRO JAPANのビジョンを根気よく伝え続けてくれたことで、多くの製造工場や素材メーカー、それに製作会社の方々にご理解いただけるようになったのです。改めて弊社内外に関わるすべての人々に、心からの感謝を申し上げたく思っております。そしてこれからも皆さまのご期待に沿えるよう、次なる10年に向け、さらなる努力を続けていこうと心を新たにしている次第です」

取締役支社長
高橋 良太
2022.09